「静かな造形 ×歪なバランス」

こんばんはサマーオブラブです。

こんなネガティブが溢れる時分に書く事と云えばポジティブな話題、前向きな話題。

書き手も、読み手も、みんなファッションに求める物は同じ。
禍々しい空気をつっぱねるトキメキ。

ご無沙汰を詫びがてら、今日もファッションについて書いていきます。どうぞご一緒に。

今回取り上げるテーマはヘルムートラング。
当店でも度々ピックアップするミニマリズムの雄。

これだけ誰もが情報をディグれる2020年。
何故彼のクリエイションが今でも評価されているのか、それは多分、私が書くまでもないでしょう。

ただ、大筋は外れずとも、それらに対する各人の解釈や認識には大なり小なりの齟齬があるものです。
勿論それが悪いという訳ではなく。
どれが正しいという訳でもなく。
受け取り方は十人十色。

我々の色を紹介しよう、と。そういう記事。
また、この紹介によって、各々の解釈を今一度楽しんで欲しい、と。そういう記事。

さあ、今から何が出てくるのか。
心得のある読者諸賢であれば何通りか既に予想が付いているものと思います。

ショルダーストラップか?

近未来アストロノーツか?

ジーンズのモードへの昇華か?



ここでは、もう少しトリッキーな、触れられていない細かい所を語っていきたく。

今回ピックアップするのは、なんと言っても「静かな造形×歪なバランス」。

古着でも、有名アイテム以上に出てこないのがこのエリア。

アストロバイカーやパラシュートは名作であるが故に、予算さえ積めば入手可能です。しかしこれらは本当に出てこない。

先ず第一に用途があり、それらの問題解決としてディテールが考案されます。
第一に人体があり、それに準えて各パーツが考案されます。
必要は発明の母である。というやつです。

しかし前述したエリアの服は用途なんて、まして人体さえもお構い無し。

具体的なモチーフがある訳でも、皮肉やメッセージが込められている訳でもありません。

ただ、あるんです。その形が。
そのコーディネーションが。

混沌として身体上を走り回る襟ぐり、袖ぐり、ヘムライン。
骨組みのみとなった身頃の無いトップス。身体の動きを制限する不合理的な袖デザイン。無機質なテキスタイルリズムに突飛として重ねられる有機的なケミカルレース。

ミニマリズムの旗手と呼ばれていながら、比類無く抽象的な、ラインとレイヤーのコラージュワーク。

後にアーティストとして抽象的な立体造形を創りまくるヘルムートラング。その創造性の、比較的プリミティブなエリアから、とりわけ大袈裟なモディファイをされずそのまま落ちてきたようなデザイン。

静謐でミニマルな服を作るイメージが一般的でしょう。それ故にそのギャップは大きく、彼のクリエイションがもう服の形をしていない事の寂しさもまた、大きいのです。

1990s Helmut Lang Black Nylon Pakkable Jacket

付属品として、当事者にしか得られない背徳感が付き纏います。こちらも是非ご検討くださいませ。

<サイズ&プライス>

¥29000+tax

サイズ44
素材ナイロン100%
肩幅(cm)
襟元ー袖先(cm)84
身幅(cm)49
着丈(cm)59